
若さま侍捕物帖 紅鶴屋敷
大川橋蔵主演のシリーズ“若さま侍捕物帖”の一篇。城昌幸の原作を、「修羅八荒(1958)」の比佐芳武と「一心太助 天下の一大事」の鷹沢和善が共同脚色、「一心太助 天下の一大事」の沢島忠が監督した。撮影は「濡れ燕 くれない権八」の山岸長樹。橋蔵のほか、尾上鯉之助・月形龍之介らが出演。
ご存じ若さまが居候をきめこむ舟宿・喜仙の近くにある、紅鶴屋敷に、夜ともなると無気味に廊下をきしらせては消える人影があるとの噂が立った。この紅鶴屋敷には、その昔、美しい姫が三国一の婿を得たいと祈りをこめて折った鶴が千羽になったとき、帆に紅鶴を染めぬいた舟で立派な若殿が現れたという伝説があった。折しも舟祭りが近づいていた。祭りをあてこんで集る人々の中には最近、紅鶴屋敷を買取って移り住んできた江戸の豪商・越後屋の勘当息子・清吉とその仲間のヤクザ者・勘八・猪之助、梅吉の四人がいた。